始まりの予感


大体、いつも私の事イジメてるじゃん。



でもそれがエイジにとっての愛情表現だとしたら?



あんなに可愛い幼なじみがいるじゃん。



妹のようにしか思ってないとしたら?



授業中、いつも睨みをきかした目で見てくるもん。



ただ私の事を見つめてるだけだとしたら?


エイジの行動一つ一つが頭に蘇る。


八重歯を覗かせた意地悪な笑顔に、反省なんて言葉を知らないような態度。



だけどいつだってエイジは私に笑顔を見せていた。


エマや他の女子には見せないような意地悪な笑顔を。



それが憎らしくて仕方なかったけど、それを私以外の子に向ける姿なんて見た事がない。



それはマリアちゃんに対しても。



パッと見はクールだし、知らない人から見たらまさか授業中に消しゴムを飛ばすなんて想像もつかないだろう。


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