始まりの予感


な、なに……?



聞けって、なにを?



「俺……」



ドキドキ


ドキドキ



やばい、絶対エイジにも聞こえてるよ。



「一年の時からシオのことが好っ」



バンッ



エイジがそう言いかけた時、大きな音がした。



「ちょっとエイジ‼‼」



誰かの金切り声と共に、やけに大きな足音がこっちに向かってやって来た。



エイジに抱き締められたままの私は、その人が誰なのか確認することも出来ない。



ただごとじゃないようなその声は、どこかで聞いたことがあるような声にも思えてふと考え込む。


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