始まりの予感


待ってよ、切羽詰まったこの感じ。


マリアちゃんは、エイジに告る気なんじゃ……



「ちょっと、エイジ離して」



マリアちゃんに聞こえないよう小声でそっと耳打ちする。



他人の告白現場に、第三者の私がいていいはずがない。



「動くなって、シオ」



ちょ、ちょっとー‼



離すどころか、エイジはさらに私に密着して力強く抱き締めて来た。



これじゃ、今から告るマリアちゃんがあまりにもかわいそうだよ。


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