始まりの予感
それでノブと幼なじみの私がバカ女呼ばわりなわけね。
仲良くなれたと思ってたのは、私だけだったのか。
「とりあえず、ノブ呼ぶしかねぇな。悪いけど、後はあいつになんとかしてもらおう」
私から腕を解いたエイジは、立ち上がるとポケットからスマホを取り出した。
マリアちゃんは顔を伏せながら泣いていて、私が近寄るとわざとらしく逃げるように離れて行った。
ま、いっか。
ノブがなんとかしてくれるでしょ。
にしても、マリアちゃんの本性を知ってちょっとびっくり。
いいコだと思ってたのに。
人って、見た目だけじゃわからないもんだね。