始まりの予感


「からかって来たじゃん」



ピンクの便せんがどうとか。


本当に待ち合わせ場所に行くのか、とか。

体育倉庫に呼び出すなんて、下心ある奴に決まってる、とか言って来たくせに。


あれはなんだったの?



「名乗り出るのがハズくなったから、シオが行く気なくなるように仕向けたんだよ」



「……ふーん」



なぁんだ、そうだったんだ。



「それでも、私が待ってるって可能性は考えなかったの?」



ずっとずっと、信じて待ってたのに。



「……ごめん。来たけど、体育館鍵掛かってて。まさかもういねぇだろうと思って そのまま帰ったんだ」



うなだれるエイジを見て、疑問が膨らんでいく。



じゃあ、私を閉じ込めたのは一体誰?


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