§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
ホテルのロビーに降りた時
カバンの中の私のスマホが振動した
急いで取り出しディスプレイを見れば
悟さんからだった
「もしもしっ」
「咲和、今、総合病院にいる
悪いが、今からこっちまで来れるか?」
「はい、大丈夫です」
「じゃぁ、着いたら電話して」
「わかりました」
悟さんの電話の声は、なんだか元気がなかった
「咲和?なんだって?」
直が心配そうに、私を見た
「うん、総合病院に来てくれ、って…」
「そう、じゃぁ、行こうか」
「うん」
私の手を取り、絡めると歩き出した