§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
8年前のあの喫茶店での出来事 ―――――
「ね、おねえさん、何か食べようよ
オレ、さっきあんま食べられなかったんだよなぁ…」
「うん…そうだね 私もなんか甘いもの食べたいな」
店員さんを呼び、メニューを受け取る
真っ赤なメニュー表に少し戸惑い開いてみる
白いカワイイ丸文字でカフェメニューとデザート
あとは、ランチのメニューが並んでいた
「私、おまかせケーキセットにするわ」
「オレ、パニーニとケーキセット」
注文をしたものが来るまで
お互いのことや好きなもの、好きなことなど
何故だか、話がどんどんと進んだ
そして…
店員さんが注文のものを運んできてテーブルにおいた
「うわ…キレイ…食べるのもったいない…」
お皿の上には、真っ赤な半ボウル型のケーキ
その周りには、赤いと白のソースとフルーツのトッピング類で
模様が描かれていた
一番外側は、透き通った赤いゼリーで覆われて
小さくカットされたベリー類が浮かんだように見える
フォークで食べる分をカットしてみると
中はスポンジとピンク色のムース、ピンク色のクリーム
そして、ベリー類も入っていた
一口含めば、甘酸っぱさが広がった
「んーっ、幸せぇーー」
「ぷっ…おねえさん、すんげー顔」
「だって、おいしーんだもの、君も早くパニーニ食べて感動してみなよ」
「はいはい」
目の前のケーキをゆっくりゆっくり味わいながら食べていると…