§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
「ね、おねえさん…」
「んー?」
あと3分の1くらいになったケーキを味わってると
「おねえさん、オレの嫁さんになってくんない?」
「ぶっ…」
口に入れたケーキをこぼしそうになった
「んん…な、なに急に言いだすの?!
そんなコト、できるワケないじゃないっ
んもうっ
大人をからかうんじゃないわよー
そういうコトは、
君がもっと大人になってから…
めっちゃイイ男になってから言うものよー」
「オレがめっちゃイイ男になったらOKしてくれるの?」
「そうね、25歳くらいで
イイ男になって、私の目の前に現れたらねー」
たぶん、もう会うことはないだろうと思い
適当なことを言った
「絶対だよ!オレ、イイ男になっておねえさんの前に現れるから
OKしてよ」
「わーかったわよー
OKするし、
またココのケーキも一緒に食べにこよ、君のおごりでね」
最後の一口のケーキを食べ
彼の返事に
冗談のつもりで応えた
それを、直が覚えていたなんて…