§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)


渡部さんの所に近づいて封筒を見る


「はい、咲和ちゃん 開けてみて」


受け取った封筒を開けてみると…


どうやら、ポストカード形式の
渡部さん宛ての招待状のようなもの


境界線がないくらいの真っ青な空と海の写真
カードの右下には


≪ nao ≫


と印字されていた




「咲和ちゃん その個展、私の代わりに行ってみない?」


「え?!」


「でも…」


行きたい、会いたいのは山々だけど…


ニューヨークだし


仕事あるし


お金だってかかるし



私がカードを見ながら躊躇してると…


「ココのことは心配しなさんな

愛ちゃんもいるし

助っ人だっているから、なんとかなるから


あ!いっそのこと、


向こうで修行してくる、ってのもいいかもねぇ」


かつ乃先生がケラケラと笑いながら言う


「かつ乃先生…」


ありがたくかつ乃先生の言葉を受け取り

私は、直のいるニューヨークへ行くことになった





< 116 / 138 >

この作品をシェア

pagetop