§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
渡部さんの所に近づいて封筒を見る
「はい、咲和ちゃん 開けてみて」
受け取った封筒を開けてみると…
どうやら、ポストカード形式の
渡部さん宛ての招待状のようなもの
境界線がないくらいの真っ青な空と海の写真
カードの右下には
≪ nao ≫
と印字されていた
「咲和ちゃん その個展、私の代わりに行ってみない?」
「え?!」
「でも…」
行きたい、会いたいのは山々だけど…
ニューヨークだし
仕事あるし
お金だってかかるし
私がカードを見ながら躊躇してると…
「ココのことは心配しなさんな
愛ちゃんもいるし
助っ人だっているから、なんとかなるから
あ!いっそのこと、
向こうで修行してくる、ってのもいいかもねぇ」
かつ乃先生がケラケラと笑いながら言う
「かつ乃先生…」
ありがたくかつ乃先生の言葉を受け取り
私は、直のいるニューヨークへ行くことになった