§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
「はい、私が咲和です。小嶺咲和です」
「良かった、アタシ、ジュリア
よろしくね
早速だけど、アタシのアパート行くわね」
「はい、よろしくお願いします」
ジュリアさんの後ろを歩き、外に停めてあったジュリアさんの車に乗る
車の中では
お互いのコトをいろいろ話をした
ジュリアさんもどうやらあっち系の人
まぁ、しぐさや口調からわかるけど…
ジュリアさんは、これから行くアパートの大家さん
直も、ジュリアさんのアパートに
住んでいる
ジュリアさんは、大家さんしながら、
若い芸術家たちが、個展を開く場所を提供したり
ビルの地下でバーを経営していたりと
忙しい毎日を送ってる
今回の直の個展も、ジュリアさんのビルの一室で行われるそう
「直に恋人がいるのは知ってたけど、
こーんなちんちくりんな子供みたいなアンタだったのねぇ」
ち、ちんちくりん…って…
確かに、152cmしかない私は、誰から見てもちんちくりんだろうけど…
「さ、ついたわよ
直の部屋は最上階よ
今、このアパートは空き部屋がないから
咲和ちゃんが滞在中は、わたしと一緒の部屋ね」
え…
「あ、アンタ、今、直の部屋に行こうと思ってたデショ!」
「あ、い、いえ…べ、べつに…」
「そんなのバレバレだわよぉー
残念だったわね
直の部屋は、カメラの機材や写真で足の踏み場もないわ」
「そ、そうですか…」
ジュリアさんの後ろをとぼとぼと着いていく
私は女の子だから、荷物は自分で持てって、ねぇ…
見るからにジュリアさんの方が力がありそうなんだけど…
って…
ま、別にいいんだけど…