§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

§おまけ♡


川端さんとのケーキ試作が
かなり苦戦して
毎日、アパートへ帰ってくるのが
日付が変わる頃になっていた


ジュリアさんの計らいで
私は直の部屋へ移動させてもらえた


ドアのカギを開け
中に入り、リビングに入ると
直が、ソファーに横になり寝ていた


「そんなとこで寝たら風邪ひいちゃう…」


寝室から毛布を持ってきて
直の体へ掛けた


「う…ん…
あ、咲和…」

「あ、ゴメンね、起こしちゃったね…」


「おかえり」

体を起こした直は、私を引き寄せ
膝の上に乗せた

「ただいま」

どちらからともなく、キスをした


「ケーキの試作どう?」


「うん、あと、ちょっとで完成…

ニューヨーク中のカップルが
あのケーキを食べたら
絶対幸せになる、って
伝説になると思うわ」


「そっか、楽しみだな

でも…

せっかく、咲和がこっちに来てくれたのに
ゆっくり過ごしてないから…

オレとしては…

咲和が、足りないんだけどっ」


そう言うと、首筋に直は、顔を埋めた


「うん…ゴメン…

私も同じ気持ちよ…」


前より伸びた直の髪に、手を伸ばす

ベッドへと行く余裕などなく、
少し肌寒くなった深夜
お互いの体温と想いを求めて
甘い時間を重ねた


♪~♪~


いつの間にか、眠りについた時
鞄の中のスマホが鳴ってるのに気付いた

手を伸ばせない場所にあるから、
そのままにしようと思っていても、
鳴り続けてる


仕方なく
私を包むように寝てる直の腕をそぉっと外し
ソファーを降りて
スマホを手に取った

< 131 / 138 >

この作品をシェア

pagetop