§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

ディスプレイを見ると…


かつ乃先生…


「う…」

ぼぅーとしてた頭も、完全に覚めた

今度はなんだろう…


「もしもし…」

直を起こさないように
キッチンの方へ移動して電話に出る


「おはょ、咲和せんせ」


え、こっちはまだ深夜なんデスが…


「は、はい
なんでしょうか?」


「あらん、なんでしょうか?って
冷たいわねぇー

ま、いーわ

あのね、

去年、料理本出したじゃない?

あれが、今年、っていうか
先月くらいから
えっらい売れ始めちゃってね!


てゆーのか
川端さんが、咲和せんせと
ニューヨークのお店のケーキ試作してる、って
どっかのメディアに
しゃべっちゃったらしーのっ


で、小嶺咲和って誰?ってなっちゃって

料理本、あれよ、ってゆー間に売れちゃってね

すごいのよっ!

渡部さんによると、
増刷の嵐らしいの!

でね、咲和せんせを
取材させてくれ、って
何本ものテレビ局や出版社から
オファーでね、

いま、咲和せんせは、ニューヨークだから、って
言っちゃったのー

でね、渡部さんが仕切って何社か取材の人連れてそっち向かってるからね、

よろしくね!」

え、言っちゃった、って、よろしくって!?

え?!え?!


「渡部さんが空港着いたら連絡はいるからね、
じゃーねーっ」


ガチャ、ツーツーツー


しゅ、取材…って…




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