§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

ところが、その日の夜
ネットニュースで
午後の一件が流れてしまった

と、渡部さんから連絡があった

でも、取材の日程を伸ばすことはムリなので
そのまま明日以降の予定は変更しない、とのことだった


ただ、その日
直は、個展の後片付けで
帰ってきたのが真夜中だったから
なにも言えず
すれ違いのまま
次の日の
川端さんとのお店の取材、雑誌のインタビュー
そして
午後からは、ケーキの試作と
ゆっくり、休憩する間もないまま一日が過ぎた


そして


次の日、川端さんとの試作に出かける時
直がカメラの機材を肩にかけ、一緒に行くという


「あぁ、今日の川端さんのお店の取材のカメラマン
都合悪くなって、渡部さんから
オレが行ってくれってなったんだ

だから、一緒に行こう」


「そうなんだ うん…」



今日でほぼ、ケーキは完成


直が完成したケーキを撮ってくれることが
なんだかうれしい




川端さんのお店に着き

早速、川端さんと作業に取り掛かる

直の
カメラのシャッター音も鳴り響いている


時折
カメラのレンズから目を離した直の視線が痛く感じた


そう


川端さんは、海外の店舗を飛び回っているからか、
俗にいう、
“スキンシップ”が、好きな人のようで…


ハグや作業時に手を添えたりするワケで…


今までの試作の最中も、こんな感じで進んでたワケで…


外国慣れしてるから、と思い
敢えて、直には、言わなかった


だけど…


平静を装ってる風だけど、


直の視線が…


とっても…痛かったり…












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