§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

「おつかれさまー」


渡部さんが取材の終わりを告げ
ベーグルサンドと飲み物をトレイに乗せ
やってきた


「さー、お腹すいたでしょー
私の奢りよー どんどん食べてねー」


取材スタッフや、川端さんのお店のスタッフが
テーブルに寄ってきて
思い思いのベーグルと飲み物を取る


私は、残り物でいい、と思って待っていたら
渡部さんが、手渡してくれた

「はい、咲和ちゃん おつかれさま」


「ありがとうございます」


渡部さんから受け取ると


「あ、昨日の件、ネットニュースに流れちゃったけど
新聞や、芸能ニュースは
止めてもらったからね、大丈夫よ」


「ありがとうございますっ」


ぺこりとお辞儀をすると


「何が、ありがとう、って?」


後ろから、直が質問した


「あら、直、知らなかった?

川端さんと、咲和ちゃんのスキャンダルが昨日流れちゃったのよぅ

なんとか、私の力で最小限に留めたから、心配いらないわょ」


渡部さんからベーグルと飲み物を渡された直は


「ふーん…」


意外なほど、冷静に返事をした


直と渡部さんと私の3人でたわいもない話をしてると
川端さんが、近づいてきた


「おつかれさま、今回はホントにありがとう
すべて、咲和ちゃんのおかげだよ、ホントにありがとう」


そう言って、ハグをしてきた


あ…


その瞬間、直の眉間のシワが寄った


え…


「しかし、咲和ちゃんの心を掴むヤツって、どんなヤツなんだろうなー

そいつが羨ましいよ、

咲和ちゃん、そいつに飽きたら、オレんとこ来なよ

大手広げて待ってるから」


え…あ、あの…こ、ココにいるんデスガ…


うわ…

直…


なんか…しそう…








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