§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

「驚くのも無理ないわよねぇ、
私だってお話いただいた時はビックリしたものぉ

でもね、咲和せんせ、こんな体験、めったにないから
引き受けるといいわよ、ってゆーかぁ…
もう、受けちゃったのよねぇ…
お願い、咲和せんせ、」


両手を合わせ、う、ウインクなんてしちゃって!!

お、お願い…とか言われてもっ!!

もぉー、かつ乃先生は勝手なんだからぁっ!!

今回ばかりは、断らないとっ!!

「か、かつ乃先生!! 
こ、コンテストなんてっ出れませんよっ

レッスンだってあるんだしっ!

生徒さんたちにご迷惑はかけられませんっ」


そうよ、そう!

大事な生徒さんたちのレッスンだもの
おろそかになんてできないわっ


「あ、それは大丈夫なのよ、
吉本さんと相談してね

来月の午前のレッスンは私がやることで承諾いただいたの

咲和せんせは、午前中はコンテストの練習、夜のみのレッスンで
お願いね」

お願いね、って!


「そうですょ、咲和先生、
料理番組のコンテストと言っても
素人に毛が生えたような人しか
出ませんし

気楽に、気楽にね!

テレビに出られてラッキー!
くらいの気持ちでね」

渡部さんまで、ウインクするっ

テレビに出られてラッキー!
なんて
女子高生じゃないから
私は、ちっとも嬉しいとは
思わないんだけどぉーっ!


もぉー

またしても、かつ乃先生にやられた…


私は、雇われの身だから
従うしかないのね…


はぁ…



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