§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
有り得ないっ?!
「咲和先生?咲和せーんせっ?」
「え?あ、はいっ!」
愛子ちゃんが、私の背中をツンツンと
指で押した
「生徒さんから質問ですよぉ
今日はどぉしちゃったんですかぁ?」
「あ、はい ゴメンね どなたかしら?」
料理が出来上がり、
それぞれのテーブルで出来たものを
みなさんが食べてる最中
私は、
他ごとを考えてしまっていた
そう…
レッスンのほんのちょっとの隙間が
できた時
頭の中では
さっき起こった出来事が
繰り返し、繰り返し再生されていた
気を取り直しつつも
質問のある生徒さんの所へ向かい
何事もなかったように
質問に答え、軽く談笑した
生徒さんたちには…
気付かれて…ない…と…思うけど…