§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
1階の裏口のカギをかけると
ヴゥヴゥ…ヴゥヴゥ…
スマホのヴァイヴらしき音が
私のカバンの外ポケットの中から鳴ってる
あ…
たぶん…悟さんからだ…
でも…桜井くんの目の前じゃ…出れないわ…
「咲和せんせ?出ないんすか?」
桜井くんが私のカバンを指さしてる
「あ、えぇ…あとで掛け直すから大丈夫」
「オレなら遠慮しなくていいすよ、
ほら、まだ鳴ってるじゃないすかっ?!」
だから
あなたがいるから出られないんだってばぁー
「えっ?!ちょっ!?」
何をするかと思えば
カバンの外ポケットの中から
私のスマホを取り出し私に出ろ、と差し出す
「ちょっ!勝手になにをっ!」
すぐさま、桜井くんから奪い取り
画面をスライドさせた