§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

それにしても…

桜井くん、彼女とかいなのかしら…

悔しいけど、あんなイケメン女の子たちが
ほっとくワケないだろうに…


そんなことを考えていたら

沸いたらそのまま注げるタイプのポットがカチッと音を立て我にかえった


ドリップタイプのコーヒーをカップにセットして
ゆっくりとお湯を注ぐ

たちまちコーヒーのいい香りが立ち上った


「んーいい香りぃー だけど…
私はちょっと無理なのよねぇ」


冷蔵庫から牛乳を取り出し
カップに注ぎ、レンジで温めた


しばらくして電子音が鳴りカップを取り出し
私の方のカップにそれを注ぐ


「これでよしっ…っと」


トレイにカップを乗せようとした時だった


「へぇーっ せんせ、ブラックはダメなんだぁ」


「うわぁっ…」

ガシャ、ガッシャーンッ


「っつ、あっつぅーーーー!!!」



後ろから聞こえた突然の声に驚き
持っていたカップをシンクに落としてしまった
そして、その時、コーヒーが私の左手の甲にかかってしまったのだ


「っつう…ぅつめったーぃ」


一瞬何が起こったんだろうか…

熱いと思ったら冷たくなって、背中もなんだかあったかい…


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