§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
幸いにも教室のあるビルから10分も歩けば総合病院があるので
そこに向かうため
私の手を引きながら桜井くんは前を歩く
うしろ姿もじっくりみたら
キレイな姿勢なのよねー
モデルでもイケるんじゃない?
病院のロビーに着いて
私を待合の長椅子に座らせると
私のカバンから保険証を出し受付しに行った
「私、そんなに重病人じゃないのに…
おせっかいなんだからなぁーもぅー」
ボソッと背中に呟く
そうは、言ってもここまでしてくれることが
嬉しいような、恥ずかしいような
ちょっと複雑だった
長椅子に座り直した時
「あれ?! もしかして、咲
和?」
私の座る長椅子の左側の視界に
白衣姿を捉え
視線をゆっくり上げていくと…
「あ!! 大森先輩っ!!」
大学時代スキー&スノボサークルに所属していた時
他大学との合宿で一緒に活動してた仲間の先輩だった