§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

その、あさってが

すぐに来ちゃった…


あーもうっ

緊張で眠れなかった…


いつもの出勤時間より2時間早く
教室に来て
全ての準備を終え


気持ちを落ち着かせようと
事務所に行って
給湯室でコーヒーを入れてると


廊下の方から
かつ乃先生と、何人かの笑い声が聞こえた


え…

もしかして、取材の人たちもう来たのかな…



ドアが開き、ガヤガヤガヤと人が入ってきた


これは絶対そう!


給湯室からすぐさま出てあいさつをしにいく


「おはようございます!」


「あら、咲和先生、早かったのね

ちょうど良かったわ

渡部さん、紹介するわね

彼女が、ウチのすべてを任せてる
小嶺咲和先生

31歳、独身 

良かったら、誰かいい人紹介してやってね


咲和先生、こちらが編集長の渡部裕次郎さんよ」


「本日はお世話になります
小嶺咲和です。今日一日よろしくお願いします」


かつ乃先生の隣にいる、渡部さんの方を向き
お辞儀をした


かつ乃先生は、その渡部さんの腕に触り
ニコリと笑いかけた


あ、またかつ乃先生の病気がはじまった…
よけいなこと、言わなくっていーのに…


「またまた、かつ乃さん
ウソ言っちゃってっ

こんな可愛い人に相手がいないワケないじゃないすかっ

あ、今日一日お世話になります
編集長兼、フリーライイターの渡部です

よろしくお願いします」


私の方へしなやかに伸ばしてきた手は
細くて長い
とても男性の手とは思えないくらい…


あ…

もしや…


なるほど…

握手をした瞬間に
あちらの人だな、と感じちゃった

結構、イケメンなのにな…

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