§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

取材の日から3日後

夜のレッスンの材料を教室で
愛子ちゃんと二人で用意してるところへ
かつ乃先生がやってきた


「咲和先生

今日の夜のレッスンから
一人、入会するわ

名前は…えっとー」


頭の上に乗せていたメガネをかけ
持っていたファイルに目を移す


同時に、頼んでいた
小麦粉等の製菓材料を持った
宅配業者さんが来た


「良かった、愛子ちゃん
粉、間に合ったね!」

愛子ちゃんと2人で
個数の確認をしながら、
私は
かつ乃先生の話に耳を傾ける


かつ乃先生は
荷物のことなどお構いなく
話していく


「名前はね、桜井 直さん、25歳

……なの

よろしく頼むわね」



「は、はぁ…」


ちょうど、
納品書にが
サインをしてる時だったので、


私は

かつ乃先生が言う、

大事なことを聞き逃していた


そう…

とっても大事なことを…



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