§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

「…せ、…んせ、さーわっ」


んー

誰よ、気持ちよく寝てんのにー



と、思ったら


胸元をまさぐる手が伸びてきた



「ちょっ、なにすんのっー」



その手を払いのけ、その拍子にそのまま起き上がる



「ははっ、やっと起きたー」



声のする方を見れば、私の隣に
上半身裸で
こちらを見ている桜井くんが…



え…


私…



あ! そう…だった…私…桜井くんと…



桜井くんの顔を見て、眠る前のコトを思い出すと…


なにやら、桜井くんの視線は私の胸元に…



「え…あ! ちょっ!何見てんのよっ!」


何もつけていないままだったことに
気付いて
慌てて掛布団を胸元まで上げた



「ちぇ、いーじゃんそんな照れなくても」

ぐぃっと
私の手を引き
アゴを引き上げられ
キスをされた


「んっ…」


抵抗すればするほど、深くなっていくキス


「んんっ…」


桜井くんの胸元を手で押そうと試みるけれど
逆に、手を絡まれて離せないよう
ぐっと握られてしまう


抵抗…すれば止めてくれる…


だけど


そんなコトは無用


抵抗なんて言葉はいらないくらい


私は彼に惹かれてる、って


自覚していたから…








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