§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
「咲和、咲~和っ、着いたよ」
肩を揺らされ、私は目を開けた
夜、通行止めが解除され
翌日、仕事あるため
急いで、車を飛ばしアパートへ帰ってきた
「あ、また寝ちゃってた…」
助手席で、両手を上げて伸びをする
「そりゃ、あんだけ感じて啼いてたら疲れるハズだよねぇー?」
ニヤリと口元を上げ
運転席からこちらを見る
「ちょっ、そ、それは、桜井、あ、っと、
直が、やめてくれないから…」
「へぇー、あんなカワイイ顔して、強請ってたのは
誰だっけー?」
「ね、強請ってなんてないですっ!
もぉっ、明日も早いんだから、行くっ」
助手席を降り、後部座席に置いた荷物を
取ろうとすると
いつの間にか運転席を降りた直が
ドアを開けて
私にカゴバックを渡してくれた
は、はや…
「さ、行こう
部屋まで送るから」
「うん…」
荷物を持ってくれて私の背中にそっと添えられた
直の手がなんだかあったかくて安心した
ところが…
そんな気持ちを打ち砕く事が
すぐ傍に待ち構えていた