§スウィート・ルージュ§～甘い秘密を召し上がれ～（完）

アパートの階段を上り
私の部屋へと近づくと…

私の部屋のドアに凭れかかった人影があった


「……」


え…？


なんだろう…


「…どうした？」

前を歩く私が立ち止まると
後ろにいた直が
私を覗きこむ


「う、うん…」


ゆっくりと前に進むと
私たちに気付いた人物はドアから身体を離し
こちらを向いた


「…！！！！」

アパートの廊下の蛍光灯が
その人物を照らすと…


一度しか会ったことがない婚約者の
悟さんだとわかった