§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)
部屋に入り
少し散らかっていたリビングをサッと片づけ
キッチンへと向かった
「悟さん、疲れたでしょ?
今、お茶入れるから、座って待ってて…」
「あ、あぁ…」
お湯を沸かし、カップを用意しながら
ドキドキと鳴る心臓を落ち着かせようと
深呼吸をした
コーヒーを淹れ
トレイにカップを乗せ、リビングへと運んだ
「悟さん、はい」
カップをテーブルに置くと悟さんは
床に置いてあったショップバックを持ち
中身を取り出した
「へぇー、水着の写真なんて撮りに行ってたんだね?
すごいねぇ、グラビアアイドルだね?」
水着を持ち上げ、私の方を向く
「あ、そ、それは、海に行くから、せっかくだから海に入れたら、
って思って…
写真は、撮って…ないです」
鋭い悟さんの視線が突き刺さる
「へぇー、こんなビキニ着るんだねー」
テーブルにビキニを放り出し、私を見る
「あ、今は、ビキニしか売ってなくて…」
テーブルの上のビキニを掴み
自分の後ろに隠す
悟さんの視線が痛くて
顔を俯く