秘密の2人
優羽は報告書を持ってまた座り、パラパラとページをめくり始めた。
報告書は先週完成したもので、昨年度の内申と、今年度の在籍クラスなどが記載されている。
報告書と生徒側から提出された意見書を照らし合わせ、不審な点があれば異議を申し立てるのも生徒会の仕事なのだ。
〔教師達が怠慢過ぎるから、こんな制度ができたんだろ。〕
優羽は学園の制度自体に不満がある。
学園側と生徒側互いに平等に…なんて綺麗事を言っているが、過去に学園が生徒たちの内申を操作したことが内部告発により明らかとなり、大問題になったことがあった。
その事をきっかけに、再発防止の為とでもいうのか、全校生徒の個人情報を扱う責任を、半分生徒に負担させるなどという制度ができたのだ。
〔あいつらに教師としてのプライドは無いのか…。〕
優羽が授業を受けずに自己学習する一番の理由はそれなのだ。