秘密の2人
第3章
見つめる先
優羽と蒼空の交渉が成立して1ヶ月が経とうとしている。
5月の半ば、学園では校内試験が行われた。
結果はもちろん、優羽がトップである。
優羽の後には特進組の生徒の名前が並んでいる。
学園では、上位50人の名前が掲示される。
各クラス35人なので、35位までは特進組、その後はまばらにクラスが入り交じっている状態だ。
掲示板の前では生徒たちが結果を見て一喜一憂していたが、予鈴が鳴って各クラスに散って行った。
しばらくしてから、静かになった掲示板の前にやってきて1人結果を見つめる生徒がいた。
蒼空だ。