秘密の2人
異変
2人が交渉して半年が経った。
季節は10月。
進学校の学園は受験色に染まっていた。
生徒会室では今日も優羽が1人で自己学習をしている。
手元には大学受験の為の資料がある。
優羽は溜め息をつき、勉強の手を止めた。
そして、中扉を見つめた。
扉の向こうには蒼空がいる。
蒼空は半年間、学校に登校している日はほぼ欠かさず生徒会室を覗き、資材室でサボって寝ている。
今日もいつも通り生徒会室にやってきたのだが……
〔あいつ…色白だと思っていたけど…。今日の顔色は…〕
優羽は蒼空の事が気になっていた。
今日もいつも通り中扉をノックし顔を覗かせた蒼空だが…
健康に関しては全くの素人の優羽が気付いてしまうほど、蒼空の顔色が悪かったのだ。
血の気が引いて、いつも以上に肌が白くなっていた。