秘密の2人
蒼空の自宅は学園から電車で片道2時間程かかる遠方だ。
優羽は生徒会の報告書で蒼空の住所を調べていたのだ。
2人は駅に到着し、電車に乗り込んだ。
時間的に電車内は人が少なく、2人は少しだけ隙間を空け並んで座った。
口数少なくここまで来た2人だが、電車に乗って暫くしてから優羽が口を開いた。
「……落ち着いたか?」
「え?」
優羽は蒼空の呼吸が整うのを待っていたのだ。
「…お前、いつからこんな状態になった?」
「!」
蒼空は困惑した表情になった。
「………答えたくなければ答えなくていい。」
優羽は無理矢理問いただすのは好きではない。
何より、これは自分が聞いていいことなのかわからない。
話すかどうかは蒼空の意志に従うしかなかった。