秘密の2人
仮面の下
「ふぅー…」
優羽はもう一度ため息をついた。
優羽は教師、生徒たちの前では完璧優等生だが、本当は違う。
『成績優秀で、なにをしても完璧』
『近寄り難い雰囲気だが、本当は優しい』
『気が利いて、邪魔くさい事でも嫌がらずしてくれる』
これが周りの優羽の見え方。
でも、本当の優羽は、
『自分以外は信用していないので、勉学は全て自己学習』
『自分以外は皆馬鹿だと決めている』
『他人が手間取るのを見ると苛つくので、苛つく前に自分がする』
が、本心である。
学校でも、家庭でも見せない。
唯一、優羽が心の声を言葉に出すのがここなのだ。