秘密の2人
「おかえり~!!待ってたのよ~!?」
「!?!?!?」
蒼空の母のテンションの高さに、優羽は見覚えがあった。
「も~!!お母さん静かにしてよ!恥ずかしいじゃない!」
「なーに言ってるの?学校から連絡来て、『同級生の男の子と帰りました』って聞いたときのお母さんの気持ちがわかる~!?」
「わかんない!」
蒼空は頬を少し赤らめてぷいっと横を向いた。
ぷいっと向いた蒼空の顔は、2人のやりとりを見ていた優羽の顔と向き合った。
「……優羽ちゃん…なんでそんな顔してるの?」
「えっ!?」
優羽は蒼空と蒼空の母の会話を見て、2人が余りにもそっくりなので可笑しくなり、吹き出しそうになるのを堪えていたのだ。
しかも、いつも優羽を負かしている蒼空が母に押されている。
〔最強親子だな…〕
優羽はなんとか笑いを飲み込んだ。