秘密の2人

「あらあらー!優羽ちゃんっていうの!?娘がお世話になってます~!」

「もー!!そういうのやめてよねー!!」


蒼空の母は、蒼空が何を言ってもマイペースで、優羽に声をかけてきた。


半年前までの優羽ならこのタイプの人間は周りに1人もおらず、対応するための引き出しが全くなかった。


だが、今は違う。


蒼空と過ごす時間の中で経験値を上げた。


優羽は優等生の仮面を装着し、ニッコリ笑顔になった。


「初めまして。蒼空さんと同じ学校に通う駒居といいます。帰りが予定よりも遅くなってしまいすみませんでした。」


仮面優等生の優羽で挨拶をした。


「あらあらあら~!!礼儀正しくて何より男前ね~!!」

「お母さん!」

「ハイハイ。初めまして、蒼空の母です。娘を送ってくれてありがとう。」


母は優羽にお辞儀をした。


そして顔を上げにっこり笑った。


「もちろん、上がってお茶して行くわよね?」


優羽は笑顔のまま固まった。


〔デジャヴか…?〕


優羽は佐渡親子の押しに完敗したのだった。
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