秘密の2人
遭遇
気持ちを言葉に出して落ち着いた頃、優羽は役員会の資料を手に取り席を立った。
生徒会室のすぐ隣にある資材室。
そこに生徒会専用のコピー機がある。
生徒会室と資材室は中扉で繋がっている。
優羽は中扉を開けて資材室の中に入り、すぐ横にあるライトのスイッチを押した。
資材室には大人が顔を出せるかどうかの小さな窓が一つしかなく、中は薄暗い。
ライトが付いて一瞬、いつものように目が光でチカッとなった。
「………。………!?」
明るくなった資材室はいつもと同じ…かのように見えたが、違った。
資材室の中にはいろいろな物が置かれている。
学園行事で使用される物が多くある中、なぜか使い古したシングルソファーが窓の下に置いてある。
それはいつも通りなのだが…。
違うのは、その上に猫のように丸まって寝ている人がいることだ。
優羽は言葉なくしばらく立っていた。
〔なんでここに人がいるんだよ!?〕
〔シングルソファで横になるっておかしくないか!?〕
〔ってかさっき愚痴ってんの聞かれたか!?〕
……心の中は、想定外のことで大混乱が起きていた。