秘密の2人
独り言
「あの子、毎日授業に出ないで休んでるでしょ?本人は隠して何も言わないけどね。」
蒼空の母は話し出した。
「学校から度々連絡があってね。体調不良で欠席しているけど保健室に来ていない。帰って来てないかってね。」
優羽は、蒼空の母の話をただ聞くだけにしようと思った。
蒼空の事情がまだ読めない。
「あの子に訊いても適当に誤魔化すし、本当の事はわからなくてね…。」
蒼空の母は優羽の顔を見た。
「でも、今日の蒼空を見たら安心しちゃった。久しぶりに元気なあの子を見れたのよ?」
蒼空の母は笑顔になった。
「あなたのおかげね。」
「えっ…いや、俺は何も…」
「ううん、絶対そう!」
自分の中で決めた事は覆さない…そんなとこまで蒼空にそっくりだと優羽は思った。
「…あの子から何か聞いた?」
「…いえ…。」
「…そっか…。」
蒼空の母は少し考えたが、心を決めたように優羽を見た。
「今から話する事は私の独り言だと思ってね。」
蒼空の母は話し出した。