秘密の2人
不調
入学して半年経った秋。
秋といってもまだ日中は暑く、汗ばむ陽気の日々が続いている。
相変わらず勉強モード全開の特進組で、蒼空は充実した日々を送っていた。
朝早く登校し、一時間自習をする習慣も定着していた。
しかし……
「……はぁ……」
いつも通り黙々と勉強をしていた蒼空は溜め息をついた。
〔なんだろ…怠い…〕
最近蒼空の中で違和感を感じるようになっていた。
初めは夏バテが少し遅れてやってきたのかと思っていたが、なんだか違うような気がする。
朝の起床もスッキリとせず、なかなか起きることが出来ない。
今まで乗っていた時間の電車に乗り遅れ、数本後の便に乗ることも増えてきた。
頭では早く学校で学習をしたいと思っているのに、身体がいうことをきかない。
〔こんなこと初めてだ…〕
気持ちと行動が伴わず、蒼空はストレスを感じ始めていた。