秘密の2人
交渉
「別に脅してる訳じゃないよ。交渉したいだけ。」
「交渉?」
「そっ!」
蒼空は交渉内容を話し出した。
「私は気が向いた時だけ授業に出てるから、サボることが多いの。だから保健室で体調不良を理由でサボるのに限界があって、いい場所がないか探してたらここを見つけてね。」
と優羽の顔を見てにっこりした。
「…ここでサボることを許可しろと?」
「ここ日差しきつすぎなくて、薄暗いから寝やすいしね。」
蒼空はチラリと窓の方を見ながら続けた。
「もちろん、その代わりに仮面優等生のことは誰にも言わない。」
蒼空は優羽にもう一度顔を向け、目をジッと見て話した。
「…どう?」
〔どう…って言われても…〕
優羽は心の中で呟いた。
優羽に拒否権なんて無いようなものだった。