DCC　<闇契約委員会>
胸まである長い黒髪を低い位置でふたつに結んでいる。

顔は手で覆うとすっぽりとはまってしまうんじゃないかと思うほど小顔で、近くまで行かなくても分かる長いまつげ。
そのまつげが被っている目は、黒眼が大きく潤んでいる。

一言で表すなら、｢美少女」。

これ以外にぴったりな言葉は今の私には思いつかない。

こんな子もいるんだな。と世界の広さを実感していると、その子は大きな瞳をさらに大きくしてびっくりしたようにこっちを見ていた。

どうしてそんな表情で私を見ているのか解らないけど、とにかく、職員室の場所を教えてもらおう。

「ねぇ、あのさ。」

「はいぃっっ！！」

「・・・。」

なんでこの子こんなに怯えてんだろ。

その子は肩を震わせ、今にも泣きそうな顔でこっちを見ていた。

「職員室ってどこ？」

「え？」

「・・・。」

今度は意味が解らないという表情でこちらを見ている。

いや、いや。私の方こそあなたの行動が理解できない。

べつに私は不可解な言動をした覚えもないし・・・。

「だから。職員室。転入してきて場所が分かんないから教えてくれないかな？」

「あ。えぇっと・・・。その・・・。」

はっきりしない子だな。私の苦手なタイプだ。

「いや。ダメならいいんだけど。」

「ううん。い、いいよ！」

思いっきり首を横に振って答えてくれた。

なぜか顔が真っ赤だ。

とにかく案内はしてくれるらしい。






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