溺れる月
診察でも、療法士とのカウンセリングでも、
僕は本心を詳しく伝えたことはなかった。
毎回処方される、両手いっぱいの抗精神薬も、
クローゼットの中に隠していた。
僕の身体を心配してくれる両親や、
叔母さんたちの手前、病院にはきちんと通っている。
だけど、
僕は、
病気を治したくなんかなかった。
吐くこと。
泣くこと。
息苦しくなること。
眠れない夜の長いこと。
ご飯が食べられないこと。
気が狂いそうになるのが怖いこと。
生きているのが苦しいと思うこと。
いっそ、自殺してしまいたいと思うほど辛いこと。
それが僕への罰だ。
少なくとも、僕はそう思う。
僕は本心を詳しく伝えたことはなかった。
毎回処方される、両手いっぱいの抗精神薬も、
クローゼットの中に隠していた。
僕の身体を心配してくれる両親や、
叔母さんたちの手前、病院にはきちんと通っている。
だけど、
僕は、
病気を治したくなんかなかった。
吐くこと。
泣くこと。
息苦しくなること。
眠れない夜の長いこと。
ご飯が食べられないこと。
気が狂いそうになるのが怖いこと。
生きているのが苦しいと思うこと。
いっそ、自殺してしまいたいと思うほど辛いこと。
それが僕への罰だ。
少なくとも、僕はそう思う。