溺れる月
月齢7 雫
毎週水曜日は病院に行く。
中学校の頃からずっとだ。
だからもう三年になる。
海沿いの道を歩いて15分の市立病院。
普段はなんでも無い距離が、今はとても遠い。
目を開けているのが辛くて、
ガードレールを手探りで伝って歩く。
道路下の海岸から聞こえる、小さな子供の声が心臓に響く。
その度、心臓はどくどくと激しく波打って、
傷口から血が滴るのが、
朦朧とした意識の中でもはっきりわかる。
一瞬、このまま死んじゃえないかなぁと思ったけれど、
たかが静脈一本切ったくらいで死ねるわけがない。
ああ、気持ちが悪い。
口の中が乾く。
おいしいオレンジジュースが飲みたいなぁ。
どす黒い血の痕を道路に染み込ませながら歩く。
だるくて眠くて。
あたしはイヤイヤ通った中学校の保健室を思い出していた。
中学校の頃からずっとだ。
だからもう三年になる。
海沿いの道を歩いて15分の市立病院。
普段はなんでも無い距離が、今はとても遠い。
目を開けているのが辛くて、
ガードレールを手探りで伝って歩く。
道路下の海岸から聞こえる、小さな子供の声が心臓に響く。
その度、心臓はどくどくと激しく波打って、
傷口から血が滴るのが、
朦朧とした意識の中でもはっきりわかる。
一瞬、このまま死んじゃえないかなぁと思ったけれど、
たかが静脈一本切ったくらいで死ねるわけがない。
ああ、気持ちが悪い。
口の中が乾く。
おいしいオレンジジュースが飲みたいなぁ。
どす黒い血の痕を道路に染み込ませながら歩く。
だるくて眠くて。
あたしはイヤイヤ通った中学校の保健室を思い出していた。