溺れる月
ママがいなくなって、あたしは少しの間、口がきけなくなった。
小さい頃、あたしが話しかけるとママが嫌な顔をしたから。
小学校の高学年になると、自分の髪の毛をカッターで切った。
ママと同じ、栗色の髪が嫌いだったから。
中学生になったあたしは、今度は同じカッターで自分の腕を切った。
自分のことが、嫌いだったから。
あたしなんか痛い思いをすればいい。
あたしなんか死んじゃえばいい。
こんな子いらない。
そう思ったんだよね? ママ。
でも、あたしだって、あたしなんかいらないよ。
ゴミの日にポイって捨てられたら楽なのにねぇ。
親にも捨てられるゴミでも、
生きてかなきゃいけないなんて辛すぎるよ。
小さい頃、あたしが話しかけるとママが嫌な顔をしたから。
小学校の高学年になると、自分の髪の毛をカッターで切った。
ママと同じ、栗色の髪が嫌いだったから。
中学生になったあたしは、今度は同じカッターで自分の腕を切った。
自分のことが、嫌いだったから。
あたしなんか痛い思いをすればいい。
あたしなんか死んじゃえばいい。
こんな子いらない。
そう思ったんだよね? ママ。
でも、あたしだって、あたしなんかいらないよ。
ゴミの日にポイって捨てられたら楽なのにねぇ。
親にも捨てられるゴミでも、
生きてかなきゃいけないなんて辛すぎるよ。