溺れる月
 雫は、僕の話をただ黙って聞いていた。


そして、きっぱりと言った。


「会いに言った方がいいと思う。


会うべきだよ。


謝るとか、終わりにするとかそういうのじゃなくて。


そうじゃないと、あなたが前に進めないじゃない。」


あたしみたいに。


最後は、まるで自分に語り掛けているかのような小さな声だった。
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