溺れる月
靴を履いて、玄関から出て行こうとした所を


叔母さんに呼び止められた。


「ヒロくん、これお小遣い。」


そう言うと、僕の手に五千円札を握らせた。


僕が躊躇していると、


叔母さんは


「いいのよ。お姉ちゃんからお金貰ってるんだから。


帰りに好きな物でも買ってきて。」と笑った。


「ありがとうございます。」


とお辞儀をして玄関を出ると、後ろから


「行ってらっしゃい。」と元気な声が聞こえた。
 
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