年下の幼なじみ【短編】
―ピンポーン♪







「ただいま~」




「えっ!?優ちゃんママ!!」




玄関の扉を開ける音と共に、今日は帰ってこないはずの優ちゃんママの声がした。



私は慌てて胸の上にある優ちゃんの手をどけ、制服の乱れを直す。





「お邪魔するわね~」



「わぁ!?お母さん!!何やってんの??!ど、ど、ど、どうしてここに!?」




何故かうちのお母さんがズカズカとリビングにやってきた。



隣にいる優ちゃんに目をやると、呆れた顔で、大きな溜め息をついてた。




「二人ともどうしてここに?優ちゃんママは今日いないって…」



「あら、そんなこと言ったかしら~?」



「どうしたもこうしたも、二人の楽しそうな声がするから様子見に来たのよ♪」



「えっ、声っっ!?//」




そんなに声出してたのかな…//



二人はニンマリしながら、私を見てる。





「この様子じゃ上手くいったみたいね~♪」



「優、ママ達に感謝しなさいよ!」





え?感謝?



上手くいったって?




…優ちゃんがうなだれてる。




「…優ちゃん?」



あ、優ちゃん、顔真っ赤だよ?


私の問いかけに、優ちゃんは茹で蛸のように赤くなった。
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