不良からの甘い誘惑を。

「湊、真央ちゃん嫌がってるじゃないか。離してやれよ」

さすがは涼先輩。
救いの手が伸びてきた。


片手を伸ばしてそれを握ろうとしたところを、黒川先輩がパシッと涼先輩の手をはたいた。

痛そうだな、なんて他人事のように考える。


「涼は真央に触んな」

「独占欲か?やだねぇ、男の独占欲は」


…あたしを挟んで話さないでもらいたい。

ていうか喧嘩腰で話さないでもらいたい。

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