不良からの甘い誘惑を。
可愛らしい一面がない黒川先輩は怖いんだよ。
涼先輩も涼先輩で何故に喧嘩腰でものを述べるんだ、勘弁してくれ。
「黒川先輩も涼先輩も、取り敢えずあたしを挟んで話さないでください。あともうじき予鈴がなりますので早く自分のクラスに戻ってください」
「あ、すまん」
そう言って黒川先輩はゆっくりあたしを離す。
離してくれてよかった…。
あのままだったら絶対授業始まるまで続いてただろう。
「真央ちゃんごめんな、俺も大人気なかった」
「いえ気にしないでください」
涼先輩にふわりと微笑むと黒川先輩の方から手が伸びてきた。
「じゃ、真央また後でな」