ONE SIDE LOVE



訳が分からない状態で将士を見つめていると彼が再び口を開く。


「星也が今日バイトで家に帰るのが遅くなるから、ゆうの事うちに泊めてって。」


私が一人で居る事が苦手なだと知っている星也だからこそ私をここに泊めてあげて欲しいと頼んでくれたのだろうけど、年頃の男女を一つ屋根の下で二人きりにするのはいかがなものかと思う。

それに、私が将士の事を好きだと知っているとはいえ何もこんなに急に距離を詰めさせられても混乱してしまう。


先程から下を向いてため息ばかりを吐いている将士を見ると申し訳なさまでが込み上げてくる。


――私がここにいたら迷惑だよね……。


「私…帰るね……。」


そう言って鞄を手に取り立ち上がると将士に左手首を掴まれた。


「いや、帰んな。」


何故だか思い詰めた表情のまま引き止められ、将士の真意が読み取れない。


――将士は本当に私がここに居留まっても良いと思ってるの……?
ため息ばかりで何だか、私を敬遠している様に見えたんだけど…。



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