ONE SIDE LOVE
それから暫くの重苦しい沈黙の後DVDを観ようと提案され、今は一昨日レンタルビデオショップで借りてきたという洋画を観ている。
……が、英語でさらには字幕無しで観ているので私には部分的にしか内容が分からない。
将士はさすが、頭が良いだけあって内容をきちんと取れているみたいだ。
――ちょっと眠たくなってきちゃったな……。
流れる映像を観ていると睡魔に襲われた。
私の睡魔との闘いは虚しくあっさりと寝てしまったようで、気が付けばいつの間にか毛布が掛かっていた。
「将士……?」
夢うつつの中、将士の名前を呼ぶとすぐ近くから声が返ってきた。
「おはよう、ゆう。」
柔らかく微笑んだ将士が私の頭をそっと撫でているのが心地よい。
ずっとそうしていて欲しいとまで思う。
そっと目を閉じると将士の手の平の感覚がより一層伝わってくる。
――これは、夢なのかな……?
普通では考えられないこのふわふわとした状況にそう思わずはいられなかった。
「ねぇ、将士……将士って好きな子とかいるの……?」
夢ならばと、思い切って聞いてみたが夢だと分かっていても将士の返答に緊張する。