ONE SIDE LOVE
将士が口を開くまでの間がとても永く感じた。
まるでスローモーションのようにゆっくりと、ゆっくりと流れていく時間。
「いるよ……。」
ようやく口を開いて出た言葉は絶望にも似た何かを私の心に落とした。
「そっ………か……。」
夢ならば早く醒めてしまいたい。
そう思わずにはいられなかった。
「ゆう……好きだよ……。」
やはり、夢だからだろうか自分の都合の良いようにいくようになっている。
でも、だからこそ…
「私も……好き……。」
素直な気持ちを伝える事ができる。
寝転んでいた身体を起こされぎゅっと抱きしめられる。
その力強さに先程までのふわふわした感覚は一気に吹き飛び、ドキドキと心臓が暴れだす。
どれ程そうしていただろうか未だに胸が落ち着かない中、炊飯器の音が鳴り響きご飯が炊けた事を知らせた。
―― ピー ピー ――
その瞬間夢の中から現実に引き戻る―――――と思った。