ONE SIDE LOVE
がしかし、未だ私は将士にぎゅっと抱き締められたままだった。
「まさ…し……?」
夢なのか、現実なのか、頭の中がぐちゃぐちゃだった。
「ゆう……。」
抱き締める力が弱まり、将士の切なげに揺れている表情が見えた。
「あ……のさ、これって…夢だよ……ね……?」
頭の中を整理したく、聞いてみたのは良いが将士が突然爆笑しだした。
「ゆう、寝ぼけてる?」
そう言って将士は立ち上がり、ご飯の準備しよっかとキッチンへと行ってしまった。
それからしばらく放心状態だった私は状況がだんだんと飲み込め、顔が火照ってきた。
「ね、ねぇ!私達両思いって事!?」
信じられずに、思わず大きな声を出す私に将士は顔を赤くする。
「っ……。」
何となく気まずい空気が流れた後私の方に来た将士は急に真面目な顔をしたので、こちらまで背筋を伸ばしてしまう。
「結月……ずっと好きだった。俺と付き合って……?」
どれ程この瞬間を待ち望んでいただろうか、私は考える間もなくすぐに応える。
「私も…ずっと好きだった。…これからもよろしくね……?」
END