ONE SIDE LOVE



「そーいえばさぁ、星也バイトは?」


スーパーに着いて間もない時に将士が突然そんな事を言い出した。


星也がアルバイトをしているなど聞いた事がない。
これから始めようと思っているのだろうか。


「は?…バイト??」


星也ももちろん訳が分からないといった顔をしている。


「何か先週、後藤から代わりに行けって言われてなかった?」


後藤翔真は私達双子の隣の家に住む幼なじみだ。
私と同じく全てが平均点だが、何でもできる二人に囲まれ若干平均値より低くく見える。


「……。あー、忘れてたわ。じゃあ、行って来るから結月よろしく。」


そう言って私の話しも聞かずに星也はあっという間に姿を消してしまった。
私達二人を残して――。


――いやいやいや、ちょっと待ってよ!!何で将士と二人きりになってるの!?
だって、元はといえば星也と将士が約束してたわけでしょ?
なのに何で急に予定があったって私を残して行っちゃうわけ!!?


口からは出せない言葉が頭中を埋め尽くす。


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